April 30, 2010

困った

2つの両極端の意見があって、コアとなる考え方が全く違っている場合、その歯車は回らない。両者の考えにうなずけるところがあって、どちらの味方にもつきたくない。両者の歩み寄りや理解しようとする努力がこの場合必要なんだと思う。しかし、方や経験が、もう方やプライドがそれを邪魔するのか、両者は感情的でけんか腰。我々の力や立場ではどうすることもできそうになく、かといって、誰に頼るべきなのか、といった疑問もあり、私と同僚はめちゃくちゃ困っている。

異文化において、相互理解は鉄則と私は思っている。異文化とは、けっして、国と国という単位ではなく、男と女、年寄りと若者、もしかすると、自分と全ての人とのかかわりは異文化交流といってもいいかもしれない。違いがあるっておもしろいことだと思う。違いを見つけるのはきっと簡単なことだ。自分の考えや価値観と違うから。見つけたり感じたりするのは簡単なのに、それを受け入れたり認めたりするとなると、急にハードルが高くなる。そこを柔軟に受け入れて、お互いがお互いを認め合わないと、行き詰まりだ。切捨てだ。それは、どうなん、って私は思う。経験やプライドがその妨げになるのなら、私はそんなものはいらないと思う。具体的に愚痴を言いたくないから、こんなぼんやりとした輪郭の日記になってしまったけど、私の好きな言葉にこんなものがある。

"Open your arms to change, but don't let your values.(変化を快く受け入れなさい、でも、あなたの価値観を変えてしまってはだめ。)"

私はそう言う人になりたい。それだけに、どうすることもできない今の状況に非常に困っている。

April 28, 2010

Mi árbol

この間、トナラに行ったときに買った植木鉢と受け皿。このはではでな柄も、白い壁の前ではすうっとなじむメヒコマジック。

April 27, 2010

世界の車窓から

私がメヒコにいると言うわけで、家族や友だちは以前よりも「メキシコ」というフレーズや国に敏感に反応してくれる。お母さんからのメールで、今週の「世界の車窓から」では、メヒコの鉄道が特集されているんだと言うことがわかった。世界の車窓に取り上げられるなんて、メヒコ、すごいじゃあないか!!これも、日墨交流400周年の影響なのか?!

それはさておき、その放送を見たと言うお母さんの感想が「人々はみんな明るいな~」だった。確かに、「陰気なメキシコ人」は見かけたことがないかもしれない。というか、そのフレーズ自体違和感がありすぎてなんだか妙だ。面白みすら感じる。率直な感想だけど、的を得ているなぁ、と感心してしまった。やはり、外からの目線は大切だと気付かされる。

そんなわけで、私は見れませんが、見れる人は今週の世界の車窓からをぜひ見てください。

【世界の車窓から】
http://www.tv-asahi.co.jp/train/

April 26, 2010

4-5時間

今日は、前から気になっていたバスから見えていた青空市っぽいのを見に行くことにした。いそいそと支度をしてバスに乗って出かけた。

ついてみると、それは骨董市だった。アンティークのものが多く取り扱われていて、じいちゃんが商売気なさそうに店番しているところが多かった。アンティーク……!!!私のような財力の人間にそこを楽しめる余裕があるはずもなく、また、店がわから見てもただの冷やかしと言うのがばればれなので特に相手にもされず……。いやぁ……、すてきだったなぁ、ガラクタの数々。素敵な自転車があったので値段を試しに聞いてみると、1500ペソ。ううむ。500ペソなら欲しかった。規模もそんなに大きくないので、あっという間に一回りしてしまった。買うものも特にないので、そのままそのあたりをぶらつくことにした。

毎週日曜日は、歩行者天国、と言うか、チャリンコ天国になる道路があるグアダラハラ。この、骨董市の開催されていたところからすぐそばにある、AVE.チャプルテペックも片側がチャリンコ天国になるので、そこを徒歩でぶらぶらと歩いた。チャリンコで疾走、あるいはスケボーで悪ふざけしているのを見るにつけ、本当に自転車が欲しくなってくる。安い自転車、手に入らないものだろうか。

↑の写真は、今日ではないけど、チャリンコ天国の日の写真。ベビーカーも走っていりゃあ、キックボードも、ローラーブレードも何でもあり。本気で鍛えている人もいれば、私みたいにぶらぶら時間をつぶしに来ているような人もいる。これが毎週開催されるんだから、本当にすごいと思う。

チャプルテペックをぶらぶら歩いて、木陰で腰を下ろして休んでいたけどコーヒーが飲みたくなったのでコーヒー屋へ。そこで2時間ほど道行くチャリンコの人を観察したり、本を読んだりして過ごした。ああ、優雅だ。

これだけで帰るのもおもしろくないなぁ、と思ってセントロに行くか迷いながら歩いた。セントロは先週も行ったから、特に見たいものはなかったのだけれど、まぁ、散歩がてらいってみようかなと思ったのだ。そんなことを考えながら歩いていると、R51(ルート51)というバスが目に付いた。

「そうだ、トナラへ行こう!!!トナラに行って、母の日のための何かと、植木鉢を買おう!!!」

と思いついた。お母さんからは、いつも荷物を送ってもらってばっかりだなぁ、と思っていたので何かこっちからも送ってみようかなと思っていたのだ。そして、自分自身には、最近木を育て始めたので、植木鉢が必要だったのだ。この間、買ったままのしょぼいプラスティックの植木鉢のまま日に当ててやっていると、強風にあおられてひっくり返って土が共有階段に撒き散らされるという惨事だったのだ。木も、せっかくがんばって育とうとしているのにさぞびっくりしただろう。これは早急にちゃんとした入れ物に入れてやらねば、というわけである。

トナラに着いたころにはテアンギスも早いところは店じまいをし始めた頃だったけど、だいたい見に行きたいところはもう決まっていたので、あせらずにぼんやりと散策した。初めてトナラに行ったときは人の多さと、テアンギスの多さに圧倒されて全然楽しむ余裕もなかったけれど、何回か行くうちに好きな店やどこに何があるかわかってきたので、遅くに着いてもなんだか余裕。

まず植木鉢。なんだかよぼよぼのじいさんの店で購入。じいさんは、案外ちゃっかりしていて受け皿までさりげなくすすめて来て、と言うか、手に持たせてきて、なんか値切るのもはばかられてじいさんにはい、はい、と言いなりになって購入。所狭しとあほほど並べてあるので、どの柄を買っていいのか本当に困ってしまう。見すぎるとワケがわからなくなるので、大体一目ぼれで手にとったものを結局買うことにしている。しかしこのメヒコの不思議なところだけど、家に持ち帰ると悩んでいたときよりもさらにずっとよく見えるんである。そして、すうっと家になじんでくれるんである。あんなど派手な柄のくせに、不思議だ。早速木を植え替えてみたけど、やっぱりしょぼくれたプラスティックの鉢に入れておくよりもずっといい。さあ、これからも元気で育ってくれよ。

お母さんに送る分には、コースターにしようと思っていて、いいのがいい値段であった。色も単色にせずにいろいろ入れてみた。お母さんの友だちの近所のOさんがブログをしていて、それにお母さんが今度の荷物に入れるようにどうやらTシャツを買ってくれたようなことを書いてあったので、コースターだけ送るのもなぁ……という気になってしまった。続きは、修理に出しているカメラが仕上がったときにセントロでもうろついて他にええもの探そうかな。

トナラ、短時間だったけれども十分満喫することができた。帰りのバスも、行きたい場所によって乗るバスを使い分けると言う技も身につけてきたので、プラサのCD屋さんに行くために、プラサ経由で帰ることにした。探していたCDはなかったけど、猛烈におなかがすいていたので、アイスクリームを買ってふらふらと出て行くと、乗りたいバスがもう来ているではないか!!ラッキー、と思い飛び乗ってまもなくバスが発車した。発車してすぐに気がついたのだが、逆行きだった。……やってもうた。と思ったけど、「早く降りて逆方面に乗り換えよう」の気持ちよりも「面倒」「どうせ暇やし」「お金もったいない」の気持ちがはるかに勝ってそのまま乗ることにした。巡回ルート(かなり広範囲だが)なので、乗り続けていればいつか着くのでそのまま身を任せることにした。本来なら10~15分くらいで着くところを、1時間20分くらいかけて帰ってきた。

そういうわけで、今日は無駄に移動をたくさんして無駄にバスに乗った一日だった。トナラはちょっと遠いし、乗り間違いなどもあったせいで、本日バスに揺られていた時間はタイトルの通りトータルで4~5時間になると思われる。あほである。因みに、本日一人での行動である。奇行である。それを「充実している」と思える私は、自分で言うのもなんだが幸せ者である。(※ただの、おめでたい奴、とも言える。)

April 10, 2010

昨日の続き

やはり、えらいことらしい。昨日書いた「携帯電話の登録」について、今日たまたまニュース記事を見つけた。

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メキシコの携帯電話、3000万回線が「強制遮断」の可能性

[メキシコ市 8日 ロイター] メキシコでは昨年、犯罪撲滅を目指し携帯電話加入者の本人確認を義務付ける新たな法律が制定され、今週末に登録手続きの期限を迎える。
 政府系ラジオとテレビは過去数週間、携帯電話のテキストメッセージで個人情報を送信して登録するよう呼びかけてきた。しかし、登録締め切り日が10日に迫る中、依然として3000万もの回線が未登録のままとなっている。
 予定通りに法律が施行されれば、これら未登録の回線は、強制的に接続が遮断される可能性がある。

 メキシコでは、通信事業者アメリカ・モービルが携帯電話市場の71%を占めており、同社は法施行の延期を上院議員らに要請してきた。

 8400万台に上るメキシコの携帯電話の大半は、通話時間が限定されるプリペイド式電話で、匿名で手軽に店頭で購入することができる。

 同国では、携帯電話を利用した強奪や誘拐事件にからむ身代金の交渉などが多発しており、これらを撲滅するため、今回の法律が制定された。

© Thomson Reuters 2010 All rights reserved.
[ロイター通信より]
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1年前からすでに施行されている法律にもかかわらず、人々に促すために締め切りの数週間前に知らせるとは、これはなかなかメヒコらしいなぁ、と思ってしまった。デッドラインの10日は明日、本当に3000万台もの携帯電話が使えなくなるのだろうか……??気になるところである。

April 09, 2010

餅は餅屋

今週の始めくらいに、携帯に突然メールが来た。差出人は携帯会社からで、内容は、「4月10日までに使用者を登録しないと、この携帯電話は使えなくなります」とのこと。たまに、迷惑メールと言うか、広告みたいなメールが来るからてっきりこれもその一種だと思っていたら、スペイン語のわかる友だちに聞いたら、どうやら、「国の決まりでそうなるらしいから、レジスターしたほうがいいのでは……」という。国の方策のくせに、あまりにも周知の徹底がなされていなくてびっくりしてしまった。でもまぁ、なんだかメヒコらしいと言えばメヒコらしい気もするのだが。

「レジスターしていない携帯電話は法的に使用不可になる」となれば、さすがのメヒコ人もレジスターしなければ、と思ったのか、メールの回線はパンク状態。インターネットで見てみると、自分の名前と生年月日をメールで送ると、折り返しすぐに登録完了のメールが返ってくるという手順のはずなのに、そのメールすら込み合っていて送れない。ようやく送れたかと思うと、返事が来ない。ようやっと夜中に返信が来たと思うと、どうやらエラーで登録できていないと言うひどい状態。

そういうわけで、迫り来るデッドラインまでに登録を完了させるべく、今日は仕事よりもこの携帯のレジスターとやらにかかりっきりだった。しかし、どこのHPをみても機能試したメールを送って登録する方法しか載っておらず、それ以上の情報は得られない。こうなれば携帯電話屋さんに直接もって行けばいいのでは、と思い、登録をしてくれるショップを検索するも肝心の電話番号が出てこない。どこでもできるわけではないらしいし、私たちは外国人なので身分を証明するもの(パスポートとか)が必要かもしれないから、直接いく前にそれらも確認しようと思ったのに、全然話が前に進まない。ああああ、馬鹿げている!!!こんな馬鹿げた話があるか!!!と、パソコンの件でお世話になった頼りにしているAさんに聞いてみることにした。メヒコに住んでもう25年以上経つ人である。

Aさんは笑いながら、「そんなこと(レジスターの手続き)はしていない」といっていた。Aさんによれば、携帯電話を登録する制度は、実は去年くらいからあったらしい。しかし、それが全く浸透しないので、どうやら政府はついにデッドラインを設けることにしたらしいのだ。それが今回である。しかし、宣伝活動がいまいちのため、やはり認知度が低いらしいのだ。Aさんは、このことをずいぶん前から知っていながら、まわりにもしたと言う人を聞いたことがないし、自分もおそらくしないだろう、と言っていた。それに、10日になったらレジスターしていない携帯が本当にいきなり使えなくなるわけはないと思うと言っていた。そんなことをいいながらもやはり頼りになる人なので、自分たちで調べるには情報が不足しすぎていて時間ばかり食うので、事務のおじさんに一括で手続きをお願いするのが得策だと言うアドバイスをくれた。

私たちもいい加減腹が立っていたので、もう、そうしよう、とAさんのアドバイスに従った。事務のおじさんは、他にも仕事を兼業しているめちゃくちゃ忙しい人なので、私たちにしてみればあんまりしょうもないことに使ったり頼んだりするのは申し訳ない、と言う気持ちがある。自分のできる限りのことは自分でしないと、という日本人の遠慮深さだろうか……??

ともかく、事務のおじさんの到着を待って他の仕事をしていたのだが、事務のおじさんが来るなり、「Aさんから話は聞いた。直接一緒にオフィスに行きましょう」と言ってくれたのだ。Aさん!!!!「俺はしないけどね~。わはは」とか言っていたのに、ちゃんと事情と状況を伝えてくれて、なんてできる人だ!!!ありがたい!!!!そして、事務のおじさんにオフィスに連れて行ってもらったら、駆け込み登録のメヒコ人たちでごった返すありえない店内。しかし、事務のおじさんは店員の人にパラパラ~と交渉して、私たちはなぜか並ばずとも書類を渡すだけで登録してもらえると言う手はずになったのだ。……このあたりの待遇は不可解というか謎なのだが、こんなにもスムーズにことが運んでびっくりしてしまう。自分たちだけではけっしてできなかっただろう。自分の能力外、フィールド外のことについていくら必死になっても無駄だ(全て無駄とは言わずとも、無駄が多すぎる)ということをまざまざと感じた。だから、このタイトルである。餅は餅屋。この国では、特にそうしなければ、いつまで経っても何も得られないような気がした今回のこの一連の携帯登録制度化事件である。

April 08, 2010

Tecnologia

自分の不注意から、水をこぼしてしまいaの列およびエンターキーが死去していた私のパソコン。USBのキーボードをつなぐと使えると言うことで、それ以来小さなネットブックの画面よりもでかいキーボードで文字を入力を余儀なくされていた。それを知り合いの人に相談したところ、セントロにLa Plaza Tecnologiaという、日本で言うところの秋葉原みたいなメカニックなところがあるという。その人も行ったことはないけれど、今度連れて行ってあげるといわれ、かれこれ数ヶ月……。

それが今日ついに実現した。いやぁ、よかった。しかし、テクノロヒアでの出来事は驚きの連続だった。まず症状を伝えると、本体からキーボードをぼこっとはずして、拡大鏡みたいなものでじいっと見たかと思うと、「修理は不可やから、キーボードごと変えないとだめ」、と言われた。値段を聞いてもらうと、600ペソで思ったよりも安かったから、というよりも、キーボード生活から脱出するためにもこれは喜んで払いますよ、と言うもの。「お願いします」というと、おじさんはさっと席をはずしたかと思うと、数分後にどこからともなく私のパソコンのサイズに合うキーボード部分を持ってきた。日本語の表記のものはなかったので、英語表記のみになってしまうけれど日本語は打てるし、まぁ、ローマ字入力なので問題なし。あとは、あっというまに、新しいキーボードをはめ込んでくれた。ついでに、画面と本体ががくがくするのも直してほしいと頼んでもらうと、これがやっかいだったらしく、さらにパソコンを解体しだして、深層部にあるねじを締めなおしてくれた。そしてまた、てきぱきと組み立てて、はずしたねじも全部もとの場所に締めなおして、最後にはちゃんと動作確認もしてちゃんとaの列が打てることを確認して返してくれた。

この時間、本当に1時間足らずである。30分くらいだったかもしれない。日本で、電化製品を修理してもらうとなったらその場で修理と言うのは考えられない。メーカーに送るからなのかもしれないけど、見積もりにまず1週間、そして実際の修理をしてもらってまた手元に戻ってくるまでに1~2週間……。そう考えると、今日のこの一連の作業は驚きの連続である。しかも、キーボードを新しいのに換えたにもかかわらず修理費は600ペソ……。本当にありがたい……。助かった……。ありがとう、プラサテクノロヒア。ありがとう、メヒコのパソコンの職人さん。というわけで、今日からまたネットブックをコンパクトに使えるようになった。うれしい限りである。

April 07, 2010

メヒコのサクラ


弟曰く、日本では今、桜が「ええ感じです」らしい。facebookやmixiをみていても、日本にいる友だちの桜や花見の写真の投稿が目立つ。日本では、春は別れの季節であり、出会いの季節であり、心機一転の季節でもある。

Jacaranda(ハカランダ)という木がある。メヒコで、春になると紫の花をつけていっせいに咲き乱れるので、「メヒコの桜」と言われているそうだ。(誰が言っているのかは知らないが。)今年もハカランダが咲き乱れている。ここメヒコも、すっかり春の模様である。

時を重ねるにつれて、新しく出会う人がいたり、その反対に関係が希薄になったりする人がいる。人づてに、「誰かは、今~~しているらしいよ」という類の話を聞くたびに、また一人疎遠になってしまったな、と感じる。それはそれとして仕方のないことだから別にいいのだけれど、その逆もあったりするから人生はわからない。ずっと何をしているかも知らなかった人と、ふとしたきっかけでまた少し連絡を取り合うようになったりもしている。どこかで聞いたのか、何かで読んだのか忘れてしまったけれど、自分の人生で重要な人物は、こんな風にふとした拍子にまたあらわれたりするのだという。だから、そう言う意味でもやっぱり出会いと言うのは大切にしていかなければならないと感じる。

時間も、人も流動的で、しかもそれらは前に進むことしかできないし、その速度や道のりも十人十色である。前にしか進めないけれど、一緒に共有した時間は一緒に振り返ることができるし、たとえ別々の時間を過ごしていても、前に進んだ分それぞれの内容を共有することができる、と少なくとも私はそう信じている。私の道のりと言うのは、寄り道だらけで、しかもいつも手探りだ。

なんか、そういうことを考えていると、無性に親に感謝の気持ちでいっぱいになる。そして、真に自分と向き合うのはすごく難しくて、パワーのいることだ。日々の生活や仕事に忙殺されていたらきっとこんなことはできない。寄り道とは、なんと贅沢なことなんだ。

私なりのホームシックかもしれない。でも、今家に帰りたいとは思わない。もっとだめな人になってしまうのがわかるからだ。あほだけど、こうして長い間離れてやっと家族や友だちの大切さを心の底からかみ締める。自分には何ができる、何がしたい、しっかりと問うて、そしていつも感謝の気持ちを忘れずにいきたいな、と思う。自分のこの目で見たことやおもしろいことを伝えるのが、私が今できる唯一のことだと思う。

April 04, 2010

ゴーストタウン

今週は、セマナサンタだ。セマナサンタは、キリスト教の行事らしく何をするのか詳しいことはわからないけど、このセマナサンタだけはこぞって店が休みになるというのが私の去年からの認識である。アメリカではイースターというのがこのセマナサンタに当たると思われる。イースターバニーとかエッグハントとかのアレである。しかしカトリック大国のメヒコでは、さらに宗教色が強い行事と感じる。「セマナ」とは「週」と言う意味なので、1週間が丸々聖なる週と言うことになる。各曜日にそれぞれ意味があるらしい。

とはいえ、この期間はまとまった休みになので、メヒコ人たちはみんなバカシオネス(バケーション)で出かけてしまうので、月曜日から街は妙にひっそりとした感じだった。支払いに行っても店は休みだし、銀行もATMしか開いていない。

木曜日に勉強しようとスタバに行くと、がらがらだった。いつものおちょけた店員Luisくんも暇と言うこともあり、おちょけっぷりがいつにもまして絶好調。そして、「Empanada(エンパナーダ)は食べたか??」と聞かれた。さも当然のように聞かれたけど、私にしてみれば「は?!エンパナーダ?!そもそもそれはなんなのだ?!」という状態。Luisくんによれば、「エンパナーダは、セマナサンタの木曜日に食べるもの」なんだとか。スタバの向かいが教会で、その前の屋台で売っていると教えてもらい、早速買いに行ってみることに。

エンパナーダとは、グラニュー糖のまぶされた三角のパイ生地の中に具が入っていると言うもの。具の中身は、ミルクのペーストだったり、りんご、パイナップル、カモテ(さつまいものような芋)、ツナなどである。まず、ミルクとりんごを買って戻ると、「カモテ買ってないのか!!!」と言われた。そんなこといわれても、カモテが何か分からないから選ぶはずもなく……。言葉での説明に限界を感じたらしく、すると、隣で話を聞いていたもう一人の店員がパソコンを持ってきてgoogleで画像を出してくれた。「ああ、さつまいもやんか!!!」とカモテが何かわかったところで、もう一度エンパナーダの屋台へ走った。パン屋さんでエンパナーダは普段からよく見かけるのだけれど、元々はセマナサンタの木曜日に食べるものだったらしい。ちなみに、初めて食べてみたけどおいしかった。やはり、この国で「パイ生地」のものにはずれはない。Luisくんおすすめの「カモテ」は、日本の食べ物を使って形容するなら「甘くしたほし芋」といったところで、おいしかった。

金曜日になると、近所の静けさはさらに深まった。友だちに、「レンジで茶碗蒸しが作れる」という情報をもらい、クックパッドで調べているとそれにはアルミホイルがいるみたいなので、買いに出かけるために夕方に始めて外に出てみた。すると、しーん、という音が聞こえてきそうなくらい静まり返っていた。道を行く車の数も異常なまでに少なく、まるでゴーストタウンである。店も大型店を覗いては軒並みシャッターが下りて休みのようだった。そんな中、アルミホイルを買いに出かけた百均のような店は、妙に人が多くて、なんだか俗っぽいなぁ、と思った。

April 01, 2010

ちょうど


メヒコにやってきて、ちょうど1年が経った。去年は、途中でインフルエンザ騒動があったりして10日だけ日本に帰ったりもしたけど、初めてメヒコの土を踏んでから1年!!!率直な感想は、「早かった!!!」。本当に、あっという間に過ぎて行った感じがする。だから、私は果たして

成長しているのか、
進化しているのか、
目指すべきおもろい変な大人になれているのか、
スペイン語は少しは身についてきたのか、

自分ではとんとわからない。でもまぁ、青い空の下、きつい太陽の光を浴びながらごゆるりとこの国での生活を楽しんでいるのは確か。このブログは、そんなのらりくらりとした様子をつづっているだけだから、読んでいる人はおもしろいのか謎だけど、2年目もqueer eyes(変な視点)をもって、おもしろいもんを見つけていけたらなぁ、と思う。……というわけで、このブログを読んでくれてる人、おつきあいどうぞよろしく。

何が言いたいのかわからないけど、とりあえず、節目の日の日記でした。

(※写真は、メヒコにきてはじめてとった写真。)