December 10, 2009

レリア

この間の土曜日。待ち合わせをしていた人と、連絡の行き違いでうまく会うことができなかった。いつも週末はだらだらしているから、土曜日の午前中に外出しているというのは極めて珍しい。家に引き返すことも考えたけど、天気もいいことだし、これは一人でのこのこと出かけるのにはもってこいだと思いつくなり、足はそのままバス停へ向かう。

結論から言えば、やっぱり街歩きは楽しいなぁ、と言うことになるけど、その一人街歩きの中で見つけた素敵なメヒコの顔について書こうと思う。まずは、「~レリア」について。

いつもと違うところでバスを降りて、適当に歩き始めた。最終目的地は、メルカード(市場)である。メルカード、行くのは2回目である。あの「アミーガ!!!何を探しているんだ?」「アミーガ!!!帽子買っていかねえか??」と猛烈に声をかけられるのに耐えられず、足がなかなか向かないでいたのである。はっきりした場所はわからないけど、方向はわかっていたから、まぁ、たどり着くでしょうと適当に歩き始めたその道は、「本気紙レリア」エリアだった。

スペイン語で、「~屋さん」と言うのは、~ríaというようで、papelería(papel:紙 + ría = 文房具屋さん)、pescadería(pescado:魚 + ría = 魚屋さん)、carnicería(carne:肉 + ría = 肉屋さん)といった具合である。そう言うわけで、私は「~屋さん」と表現するときには、何でも"レリア(本当なら、リア、をつけるべきだけど、パペレリアの、レリア、をとって)"をつけて呼んでいる。だから、"紙レリア"とは、私のオリジナル単語で、意味は「紙屋さん」である。



紙レリアエリアは、すなわち紙の問屋街のことになるが、紙レリアにまぎれて印刷工場もたくさんあった。昔ながらの機械ががしゃこんがしゃこんと動いている様子を、ちらちらと見ながら歩いた。人通りは特になく、穏やかなもんである。

紙レリアエリアを抜けると、大きな通りに出たのでセントロセントロ(セントロの中心部)を目指して方向転換。メヒコは、専門店の宝庫である。私はそれがとても気に入っている。日本では、最近は何でも総合化してしまい、専門店と言うのが減ってきているように思う。だから、京都の街を歩いたときに「たたみ屋さん」があったり「仏具屋さん」があったり「和紙屋さん」があったりすると、わくわくしてしまう。そこには職人がいて、文化がある。そう感じるからだ。メヒコで見かける専門店は、例を挙げると、糸レリア(糸屋さん)、カレンダレリア(カレンダー屋さん)、お菓子レリア(お菓子の問屋)、布レリア(布屋さん)、カードレリア(カード屋さん)、べべレリア(赤ちゃん商品屋さん)、フィエスタレリア(パーティグッズ屋さん)、ビニールレリア(ビニール商品屋さん)、屋台レリア(屋台に必要なものを売る店)、ピニャータレリア(ピニャータを売る店)……などである。カレンダーだけを専門に扱って大丈夫なのか?!と要らぬ心配をしてしまうほどだが、それらのこじんまりとしたたずまいの店の前を歩くのがとても気に入っている。なんでも合理化してしまってまとめてしまうことが決していいことではないことに気付かされる。

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