December 10, 2009

a mano

一人でぼちぼちと歩きながら、セントロセントロまでやってきた。まずは休憩である。私が、メヒコの、というか日本以外の国でいいなと思っていることの1つに、町の中にもベンチがあってそこに腰掛けて休めるということがある。日本では、ふと「外で本が読みたいなぁ」と思っても、なかなかそのへんの公園で、ほな読書でも、と言うわけにいかない。だから私は、海のほうまで行って、テトラポッドの上で一人ぼんやりと読書をしていたりした。

広場にたくさんベンチがあって、それぞれ思い思いに過ごす空間にいるのはとても気持ちがいい。さすがセントロセントロなので、大きな道路がすぐ脇を通っていて、交通量も半端なくて忙しい感じがするのだけれど、それでも、ベンチに座っている人たちのほうに目をやれば穏やかなもんである。読みかけの本を取り出して、本を読んだり、人間観察をしたりして小一時間を過ごした。靴磨きのおっちゃんや、待ち合わせのために待っていて連れがきたときに見せるめちゃくちゃうれしそうな顔や、おそらくゲイだというカップルを見つけてはにやにやとしてしまう。

十分休憩を楽しんだので、たぶんこっち、と勘のみでまたすたすたと歩き始めた。雑雑としたエリアに誘われて、キッチンレリア(台所用品屋さん)や、ベルトレリア(ベルト屋さん)を冷やかしながら歩いていると、やはりこの雑多な感じは、メルカード(市場)に通じていた。市場は3階建てで、まず入ったところがちょうど3階だった。3階は、靴やらDVDやらが売ってある。ものの多さに圧迫感を覚えて、しかもまた「アミーガ!何か探しているのか??」攻撃に耐え切れず、2階、1階へ。1階はもっと観光客向けの雰囲気がして、お土産になりそうなものがたくさん売ってあった。私は、ベルトとかばんがほしかったので見て回ったけど、もひとつピンとくるものがなかった。

せっかくなので、腹ごしらえでもしていくことにした。名前は忘れたけど、おいしいスープを食べた。スープを頼むともれなくトルティージャがついてくる。カウンタに座ると、目の前でそのトルティージャを焼いているのが見えた。生地を手動のプレス機みたいなもので伸ばして、鉄板の上に置く。両面を焼いたら、どんどんとお客の方に運ばれていく。歩き回ってすっかりのども渇いたので、ハマイカのジュースも飲んだ。うまい。私は一人暮らしなので、普段はなかなかメヒコ人がメヒコ料理を食べている姿を見ていない。だから、適当にちぎってトルティージャを食べていたのだけれど、メヒコ人たちは、くるくると巻いて、それをスティック状にして食べていた。……ので、ひそやかにそれを真似して食べてみると、なるほど、食べやすい。スープのときに食べるトルティージャは、巻くに限るな、と妙に納得しながら食べた。

それから、カテドラル(でかい教会)の向かいの広場の地下にあるプラサに行ってみることにした。前、平日に覗いてみると驚くほど開いている店が少なかったのだが、その中にとても気に入ったベルトを売っている店があったのだ。でかい市場の方で惨敗だったので、このこじんまりしたところをみて落ち着こうという魂胆である。しかし、前行った時には「入れ墨」と書かれたタトゥーの見本がおいてあるタトゥーやさんがあって、その前で悪そうなキッズがたまっていたので、カツアゲとかにあったら嫌だなぁ、と思いながら階段を下りていった。

平日よりもたくさんの店が開いていて、市場よりも暗いのだけど、市場のようなあの「アミーガ!!」攻撃がないから、よっぽど落ち着く。店番をしているのも、中学生か高校生くらいの店舗もあって、そんなところをうろついているアジア人は他に見当たらず、ガン見の洗礼を受けるのである。まぁ、そんなことはもう慣れっこなので別にいいし、なにより、こっちのプラサの方が心をくすぐられる手作りの品々が多い。ベルトもやっぱりこの間見つけたやつが一番いい。糸で刺繍をしたものを、皮に縫い付けているのだが、色が鮮やかでとてもきれいなやつである。やはり、手作りのものに魅力を感じる。まだ売れていなかったので、買うことにした。店番の女の子に「何人??」と聞かれたから「日本人やで」というと、「日本語で私の名前を書いて」と頼まれ教えてあげた。代わりに私もスペイン語の単語を教えてもらったり、しばらくきゃっきゃと話した。

かばんも、これまた刺繍のもので気に入ったものがあった。1回り目と2回り目で店番の人が違って、違う値段を言われた。どうやら、1回目に聞いたときはその店のお兄ちゃん(どう見ても10代。)の代わりに店番をしていたから、適当に値段を言ったらしい。だから本当の値段よりも安かったのでお兄ちゃんは不服そうだったが「さっきお姉ちゃんが言った値段にしてください。お願いします。お願いします。」と連呼しているとついに「オッケイ」を出してくれて、まんまとまけてもらった。いやぁ、ええかいもんをした。

ハンドメイド。さあ、次はどんな作品にめぐりあえるのだろう。そのためには、やっぱり街歩きをしないとだめだなぁ、と改めて思った。

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