April 07, 2010

メヒコのサクラ


弟曰く、日本では今、桜が「ええ感じです」らしい。facebookやmixiをみていても、日本にいる友だちの桜や花見の写真の投稿が目立つ。日本では、春は別れの季節であり、出会いの季節であり、心機一転の季節でもある。

Jacaranda(ハカランダ)という木がある。メヒコで、春になると紫の花をつけていっせいに咲き乱れるので、「メヒコの桜」と言われているそうだ。(誰が言っているのかは知らないが。)今年もハカランダが咲き乱れている。ここメヒコも、すっかり春の模様である。

時を重ねるにつれて、新しく出会う人がいたり、その反対に関係が希薄になったりする人がいる。人づてに、「誰かは、今~~しているらしいよ」という類の話を聞くたびに、また一人疎遠になってしまったな、と感じる。それはそれとして仕方のないことだから別にいいのだけれど、その逆もあったりするから人生はわからない。ずっと何をしているかも知らなかった人と、ふとしたきっかけでまた少し連絡を取り合うようになったりもしている。どこかで聞いたのか、何かで読んだのか忘れてしまったけれど、自分の人生で重要な人物は、こんな風にふとした拍子にまたあらわれたりするのだという。だから、そう言う意味でもやっぱり出会いと言うのは大切にしていかなければならないと感じる。

時間も、人も流動的で、しかもそれらは前に進むことしかできないし、その速度や道のりも十人十色である。前にしか進めないけれど、一緒に共有した時間は一緒に振り返ることができるし、たとえ別々の時間を過ごしていても、前に進んだ分それぞれの内容を共有することができる、と少なくとも私はそう信じている。私の道のりと言うのは、寄り道だらけで、しかもいつも手探りだ。

なんか、そういうことを考えていると、無性に親に感謝の気持ちでいっぱいになる。そして、真に自分と向き合うのはすごく難しくて、パワーのいることだ。日々の生活や仕事に忙殺されていたらきっとこんなことはできない。寄り道とは、なんと贅沢なことなんだ。

私なりのホームシックかもしれない。でも、今家に帰りたいとは思わない。もっとだめな人になってしまうのがわかるからだ。あほだけど、こうして長い間離れてやっと家族や友だちの大切さを心の底からかみ締める。自分には何ができる、何がしたい、しっかりと問うて、そしていつも感謝の気持ちを忘れずにいきたいな、と思う。自分のこの目で見たことやおもしろいことを伝えるのが、私が今できる唯一のことだと思う。

No comments:

Post a Comment