January 16, 2010

インターネット開通

メヒコにおいて約束はあってないようなもの。だから、あまり過信しすぎないようにしていた。学校のわりにしっかりした印象を受ける事務のおじさんに、「●●を買ってきてください」と頼むと、「じゃあ、明日には必ず!!」という調子のいい返事をもらう。しかし、実際に買ってきてくれるのは2~3日後、なんていうことはざらにある。だから、しっかりしている人でも、「明日=明日ではない」と思うようにしていたし、それを見込んで物事を頼んだり、考えたりするようになっていた。

ついにインターネットの契約をしようと決めて、この間からプランを聞きに何軒か足を運んだ。その対応たるや、同じ会社でも支店が違うと違う。提示される金額も違うから、「んぁあああ??」である。

まず1件目、英語をしゃべるおじさんが対応してくれて、インターネットのみで月額369ペソだという。私の友だちで、2年前に契約したものでインターネットのみで月額249ペソというプランを使っている子がいるので、私も200ペソ台で何とか契約したい気持ちがあり、ずいぶんと高くなっているなぁ、と感じたのでとりあえず保留することにした。丁寧に対応してくれたし「日本食が好きなんだよ」などと日本のことをよく言われてうれしくもなったから危うく「お願いします」といってしまいそうになったけれど、いやいや、お金のことなのでもう少しシビアにならないと。そして、インターネットでその会社のHPを見てみると、「インターネット199ペソ~」という表示を見つけた。こらぁあああ、おっさん!!!優しい顔して、なにが369ペソが一番安いプランだ!!!

そして2件目。「あそこの店員あほやで」と別の友だちに釘を刺されていたけど、あほじゃない店員が対応してくれるかもしれないと淡い期待を抱いて足を運んだ。あほ対策として、資料を持っていくことにした。HPのページをプリントアウトして、「ほら、ここに書いてあるじゃないか!!」と見せることにしていた。それがだめといわれたら、1件目で、「今はインターネットだけのプランはないんだよ」といわれていたので、「でも、私の友だちが使っている!!!」と押そうと思って、友だちの今月の支払い票ももって行った。それでもだめといわれるかもしれないので、テレビとインターネットのパックで369ペソと言うプランをインターネットで見つけたのでそれもプリントアウトして持っていくことにした。いくら言葉が不自由だからと言って、これだけ紙の資料を持っていけば万全であろう。

しかし、店員はあほだった。インターネットだけのプランはないと言い張りだした。最初、199ペソのプランで、すんなりと通りそうだったのに、家に今現在その会社とは契約していないというと(普通に考えると、だから契約しに来店したのだが。)、その値段では無理だ、と言い出し、月額579ペソのプランしかないの一点張りである。私も必死で、

「高すぎる」
「いらない」
「テレビのサービスは要らない」
「インターネットだけがいい」
「わかりません」
「って言うか、テレビを持っていない」(これはうそ。)

と「なんでですか??」を連呼してごねた。くっそう、話のわからない馬鹿女め、とこのつたないスペイン語でかれこれ30分はごねていた。すると、見かねた私のあとに待っていたお客さんが英語で助け舟を出してくれた。私が店員の言っていることがわからないと思ったらしい。しかし、わからないのは「なぜそんなに高いのか」であって内容は百も承知である。店内に「テレビ、インターネット、電話で549ペソ」という張り紙がしてあったので、「なんで、電話が加わってるのに、おまえの言うプランより安いのだ?!」と問い詰めると、「あれは、そう言うディスカウントプランです」とか言ってくる。じゃあ、安いほうを教えろよ!!!!!と怒り爆発である。友だちは正しかった。ここの店員は、お墨付きのあほだ。わからへんからとほいほいと言いなりになって金を出すような「あほ」ではないのだ、私は。

というわけで、2件目は喧嘩別れ。

そして3件目。白ぶちめがねのファンキーなおばちゃんがカウンタに座っていた。「むむ。あのおばちゃんは手ごわそうだ」と、前述の資料をきゅっと握り締めて、「一番安いインターネットのサービスがほしいです」と挑んだ。すると、テレビ40チャンネル込みで399ペソといわれた。例によって、「テレビはいらないから、インターネットだけのプランはありませんか??」と聞くと、おばちゃん曰く「349ペソである」らしかった。しかし、50ペソ(500円くらい)出すだけでテレビが40チャンネルも見れるんである。これは、ええプランじゃないですか?!旅中に、やはりリスニング力を鍛えないとだめだ、と感じたのでテレビを見られる環境が整うのは、私にとっても都合がいい。おばちゃんはさらに、「インターネットも早いよ」とアピールしてきた。「インターネットは繋がればいいから、別に早さは求めていません、もっとおそいインターネットのプランもありますか」、と聞くと、一番遅いのでよければ、テレビと込みで330ペソがあるという。友だちがインターネットのみで249ペソ払っていると考えれば、月額80ペソ上乗せでテレビ40チャンネルは、これは悪くないな、という思いに至った。それに、現在インフレが激しいメヒコにおいて、インターネットの料金が2年前と比べると値上がりしているのはしかたのないことなのだ。そして、このおばちゃん、うまい。向こうから資料も提示してくるし、信憑性がある。契約するならこの人だな、と思った。

そのまま契約の手続きをとり、日本ならここで、セットアップの日をきめる段取りになるのだが、そこがメヒコ的だった。「10日以内に完了する」といわれた。詳しい日時はおばちゃんにもわからないというのだ。とりあえず、来る前に電話をしてもらうようにだけ頼んだ。2件目のところがあほやでと教えてくれた友だちがセットアップをしたときは、やはり同じことを言われたが信用ならないので、契約翌日にそのへんをプロバイダの車が走っていたから、その人を捕まえてその場でしてもらったらしい。私も、車を見つけたら声をかけようと思っていたが、本当に10日以内に連絡が来てことが進むのか、そこにも興味があった。だから、今週の午前中は家の中にこもり、彼らからのコンタクトを待った。すると、3日後の昼間に電話がかかってきた。全部はわからないけどなんか、明日の朝に来てくれるようなことを言っている模様で、時間を尋ねると「9時」といわれた。まぁ、電話をしてくる人と、実際に来る人は違うしな、怪しいもんだ、と思ったが電話が来た奇跡に驚いた。しかも、アポイントメントである。私はてっきり、今あんたの家の下まで来たんだけども!!と突撃でくると思っていたのだ。

そして約束の今朝9時すぎ。セットアップをしてくれるおじさんがやってきた。そして、壁に穴を開けてテレビとインターネットを開通させてくれた。おおおおおおお、奇跡。祝、インターネット開通、テレビ視聴可能環境。文明開化の心地だ。それはそれでうれしい。しかしうれしさよりも、メヒコでこんなにスムーズに仕事をする人たちがいた驚きのほうが大きい。国内カルチャーショックである。

No comments:

Post a Comment