April 01, 2011

文化の違い

この間、日本に荷物を送ることにした。増えていないと思っていても、着実に2年間で物は増え続けていたようだ。私は、手作りのイスを買って、それは買ったときからどうにかして日本に持ち帰ると心に誓っていた。

ところが、このイスと言うものは送るとなると、本当に厄介な代物である。重さは問題ないのだが、やはり大きさである。大きさがオーバーなので、郵便では送れないらしく、また、メヒコと言う地理も手伝って、日本の会社のサービスが行き届いてないのも残念。アメリカとかイギリスとかのメジャーな国なら個人向けにも国際宅急便のサービスがあるようだが、メヒコにはあっても法人向けのみの場合が多い。

それならば!!と、世界中にサービスを持っているFedex、DHLなどを当たってみたけど、これがいいお値段。しかも、Fedexに関しては、個人のものを日本宛には送れないかもしれないと言われ、日本のFedexに確認を取るようにいわれた。Skypeを使って日本のFedexカスタマーセンターに電話したら、めちゃくちゃ電話の対応が悪く(しかも、愛想もない!!!)久しぶりに電話越しで切れたろかい、と思ってしまったほどだ。メヒコでなら、「なんでぇよ~~、頼むわ~~!!なあ~~~~!!!」とかなんとか粘るというか、ごねるということができる(たとえそれが通らなくても、そうする価値がある)けど、日本の電話ではそういうことを言うことすら許容されないような雰囲気でしゃべってくる。あ~、おもんない。DHLは値段が高かったが、日本のカスタマーサービスの電話は絶品。めちゃくちゃ好感が持てた。

しかし、結局私が選んだのは、UPSである。セントロを歩いているときにUSPの代理店のようなところがあり、そこで話を聞くと、「送れるよ。イス。」とゲイのお兄さんにあっさり言われたのだ。店の壁にも、

「あなたが送りたいどんなものでも、我々は、世界のどこへでも届けます!!!」

という素晴らしいコピーが掲げてあった。ええやん、ええやん、と思い、「日本へはいくらくらいですかね~」と聞くと、震災の影響で日本へのサービスは休止中とのこと。UPSのホームページを見たら、日本へのサービスも再開と書いてあったから、よっしゃ、と思い2度目の来店。

「あのぅ、日本へは……。」

「あー、今日本へは無理だよ。」

「でも、UPSのホームページにサービス再開って書いてあったよ。」

とここまで粘ってようやく、

「調べてみてやるよ。」

の流れになる。調べてもらった結果は、

「送れるよ!!」

で、当たり前や、UPSがHPでそう言うてたわい、と思いながら、値段を聞いてみる。するとDHLと変わらないくらい高かったのだが(やはり、イスは容積がでかくて、宅急便はたいてい容積で値段が決まる)、家まで無料でとりに着てくれるサービスもあるというので、お願いすることにした。

「じゃあ、明日の朝10時に!!!」と約束して、彼らがあらわれたのはもちろん10時45分。その日のうちに来ただけでも上出来だと思わなければならない。てっきり、家で梱包やらをしてくれるのかと思いきや、私も同行でセントロの店舗に行くのだという。それはいいのだけれど、家でしてくれると思っていたし、がむテープもなかったしで、イスの上にさまざまなものを置いてるだけだった。と言うわけでもちろん、車に積み込んで右折左折、あるいはとぺの上を通り過ぎるたびに荷物がほどけだした。最初はおっちゃんが抑えようとしてくれていたのだがすぐにあきらめて、笑っていた。おっちゃんと、運転手のお兄ちゃんと私で、荷物がひっくり返るたびに爆笑の車内である。

あまりにもひどいので、車が道の端へ停車した。荷物を少しくらい直すのかと思いきや、車内でイスを普通に立てて、おっちゃんが座席代わりに座りだしてしまった。

「よし、これで、安定するぜ!!」

といっていた。まぁ、確かに安定はするけど、あんた、それ、お客のイスでっせ。それはおいておいて、このアジア人の私が、なぜメヒコにいるのかはいつもながらとても興味をもってくれる。最初に学生かどうかを聞かれて、学校で働いているというと、日本語を教えてるのか、といわれ、いや、日本人の子どもとか、父ちゃんか母ちゃんが日本人の子どもたちにだ、と言う定番の流れの話になる。そしたら、兄ちゃんの方が、

「Holaはなんていう??」

と聞いてきたので、「こんにちは。」と教え、メヒコの人たちは、「Hola, como estas?」とセットで使うことが多いので、「Como estas?」は「元気??」と教えた。

「コンニチハ、ゲンキ~??」

と車内ではしゃぎまくって、兄ちゃんもおっちゃんも使っていた。そして、兄ちゃんが

「bonitaは、なんていう??」

と聞いてきた。「かわいい」と教えると、「amorは??」「te amoは??」とおっちゃんも続けて質問してきた。こういうのをすぐに聞いてくるのがメヒコっぽいなぁ、と思いながら「愛」「大好き」と教えておいた。

メヒコでは、道でかわいいと思った人がいると、ピロポスといわれる声をかける。「かわいこちゃ~ん」と言ってきたり、口笛を吹かれたり、車からだとクラクションを鳴らして気を引いてきたりする。

「日本では、なんていうの??」

と聞かれてきょとんとしていると、スペイン語が通じなかったのだと思われ、

「だから~、道でかわいい子見付けた時やん!!ほら!!!」

とすかさず道行く女の子にクラクションを鳴らして合図をしていた。

「あ~、その文化、日本にはないで」

というと、おっちゃんと兄ちゃんは顔を見合わせて、

「そんなあほな!!!!!!じゃ、じゃあ、日本の恋人たちはどうやって知り合うんだ?!?!」

と相当ショックを受けていた様子だった。いやー、そんなこと言われても……。いろいろ話した中で、この話が一番食いついて衝撃を受けていたみたいだから、やっぱり、メヒコは情熱の国だなぁ、と思った。

そのあと、「ゲイってなんていう??」といわれたから「おかまちゃん」と教えると、

「こんにちは、元気??おかまちゃ~ん!!」

と元気よく店番をしているゲイの店員にあいさつをしていた。明るい。メヒコです。

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