June 14, 2011

名詞

日本語の名詞には、男性名詞や女性名詞といった区別、あるいは冠詞がつくこともない。英語は、aとかtheとかの冠詞はあるけど、性別はない。しかし、スペイン語にはある。ドイツ語を大学で第2言語として勉強していたときにはじめて、名詞に性別があるという概念を知ったのだけれど、その時はお手上げであった。その時の先生が、なんかいつもやたらと汗をかいていて、それはもう病的な量で、よく休校になっていたりしたので本当に病気だったのかもしれない。そんな先生だったので、教えるのもなんだかもひとつで、と言えばただの言い訳なのかもしれないけど、ドイツ語はまったく身につかなかった。彼の授業で記憶に残っているのは、「ドイツに行ったらヴィーナーシュニッツェルという料理がおいしいから食べたほうがいい」、と言うことと「ドイツ人に混じって話していてそのほりの深さに慣れてしまい、家に帰って自分の顔を鏡で見たときに、あまりにのっぺらした顔で驚いた」というしょうもないエピソードだけである。

話はそれたが、その「名詞の性別」がスペイン語にも存在するのである。ドイツ語のそれに比べれば、スペイン語のはまだシンプルだと私は思う。例えば、maestro(先生)と言う単語がある。男の人が「わたしは先生です。」と言うときは、maestr"o"になるのだけど、女の先生になると、maestr"a"になる、と言った具合だ。-oで終われば「男性名詞」、-aで終われば「女性名詞」と覚えておけばいい。しかしまぁ、何にでも「例外」と言うものが存在するので、そのルールにのっとっていないものもある。ちなみに、男性名詞の冠詞は"el"で、女性名詞には"la"がつく。

週末に、友だちがグアダラハラから遊びに来てくれていて、callejon(小さな裏通り)を歩いていたときに、

「犬のpopo(フン)に気をつけて!!el popoに!!」

と言うと、

「違うよ、popoはla popoだよ。」

と訂正された。えええ!!!-oで終ってるやん。それなのに、なぜに「LA POPO」?!う~~~ん、納得がいかない。しかも、pipi(おしっこ)もel pipiではなく、la pipiと女性名詞なんだそう。え~~~。なんで~~?!ウンチだのおしっこだのが両方揃って女性名詞ってどういうことなのだ?!友だちに理由を聞いたけど、「分からない」とのこと。ただ分かるのは、popoは絶対に女性名詞なんだそう。

今日ふとそのことを思い出したので、学校で先生に質問してみた。(小学生男子のようなあほな質問であることは百も承知で。)すると、popoは幼児言葉で、「フン」は正しくは「caca」というらしい。その先生曰く、「cacaという響きはなんか汚いから、popoの方が好んで使われる」んだそう。その、「caca」の響きが汚いと言うのは、外国語としてスペイン語を勉強している私には理解しづらい感覚なのだが、日本語で言うところの「うんこ」と「うんち」の与える微妙なニュアンスの違いととらえたらいいだろうか。

だから、正しくは"la caca"なので、「ウンチ・フン」という単語自体は「女性名詞」になるらしい。だから"caca"のかわりに"popo"を使っても、元々が女性名詞なので、そのまま"la"という女性名詞に対する冠詞がつくんだそう。いやぁ、何ごとにも理由があるのだなぁ、と妙に関心。

めっちゃ真剣な顔つきでこの日記を書いているので、周りにいる人は、まさかあのアジア人がうんこについて熱くタイピングしているとは夢にも思うまい。ということで、日が暮れて歩きやすい時間になったので、帰ろう。

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