メヒコでは、アパートに暮らしているので家庭料理を食べる機会が非常に少ない私。先日、私の小さな友だちが彼の卒業式後のフィエスタに誘ってくれた。なんだかよく分からないフィエスタで、ホテルでご飯を食べるというもので、着いたときにはもう子どもたちはホテルのプールで遊びまくっていた。「本日はお日柄も良く」や「卒業おめでとう」的なあいさつ、というか、会を進行する人自体がいなくて、時間になると食事が運ばれてきて、食べ終わったら、適当に帰っていくというものだった。クリストフェルくんのお父さんとお母さんとしゃべっていて、メヒコ料理の話になった。
「おまえはメヒコの食事は好きか??」
と聞かれて、「それはもう!!!!」と熱っぽく返事をすると、
「明日、タマーレスを作るから食べにくるか??」
と誘いを受けた。タマーレスは、とうもろこしの粉を使った、日本で言うところの「ちまき」のような食べ物。何も入っていないタマーレスを食べた日本人の友だちが「ゲロの味がする」と酷評した代物である。私自身も、何度かしか食べたことがないけど、そないにおいしいと思ったことがない食べ物の一つだった。しかし、誘いを受けたら、
「ぜひ!!!!」
と調子よく答えてしまうのが、日本人の私である。そして、翌日彼らの家にタマーレスをごちそうになりに行くことになった。
タマーレスの作り方は知らないのだけれど、かなり手間らしい。でもお母さんは料理をするのが好きなので、週末にタマーレスを作って、お家で販売しているんだそう。この日は、近所の人に無料で振舞うことにしていたらしく、私が着いたころにはもうみんな帰った後だった。
タマーレスには、お惣菜タマーレスのようなご飯系のものと、デザート系タマーレスがある。デザート形タマーレスの中には、フルーツが入っているのだが、それがとうもろこしの粉とあうとは思えず、いまだにチャレンジしたことがなかった。でもせっかくなので、全種類のタマーレスを呼ばれてみることにした。
・チレとサルサベルデ(緑のサルサ)味
・豚肉とサルサロホ(赤のサルサ)味
・アスーカル(砂糖)味
の3種類。どれもめちゃくちゃおいしかった。そして、Atole(アトレ)というこれまたとうもろこしの粉を使ったらしい飲み物も入れてもらった。名前は聞いたことがあったけど、飲んだのはこれがはじめて。とうもろこしの飲み物てどんなんやねん、と思ったけど、チョコレートも入っているらしく、ちょっとどろりとしたホットチョコレートと言う感じで、寒い日に飲んだらほっこりしそうなあったかい飲み物で、これまたとてもおいしかった。タマーレスも、なんか屋台で食べるのとは違っておいしかった。デザート系タマーレスに至っては、あまりにおいしくてびっくりした。マサ(生地)の絶妙な甘さと、レーズンがよくあう!!それにシナモンの風味が加わって、メヒコではじめて食べる感じの味だった。チレと豚肉のタマーレスのおいしさはいうまでもなく!!!
なんなんやろう、家庭料理のこの異常なうまさは。友だちや友だちのホストファミリーの家におじゃましたときにポソレ(スープ)などをよばれたことがあるけど、それらもレストランのそれよりもはるかにおいしくてびっくりした覚えがある。やっぱり、家庭の味はいいなぁ。それに比べて自分の作る食事の貧相なことといったらない。……悲しい。
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