先日、イスを買った。グアダラハラのセントロで見つけたのだけれど、もちろん手作りで、座るところは麻紐を編んで作ってある。「かわいいから」と言う理由よりも、「長く座ると味が出る」というところにほれ込んで買うかどうか迷っていたのである。
後者の理由で買った場合、メヒコ生活の間だけの付き合いはしたくないと言うのが私の気持ちだ。つまり、「もって帰りたい」のである。なにがなんでも。
そんな葛藤も経て、ついに購入に踏み切り、でかいイスを担いで公共のバスで家に運び込んだ。家においてみると、店先で見たよりもさらによくて買ってよかったと早速にやけてしまった。
後日、トナラに行ったときにびっくりするような偶然があった。トナラに好きな店があるんだけれども、そこにもこのイスと似たイスを見つけた。やっぱりいろんなところで作られているものなのか、思っていると、店のおばちゃんがアルバムを見せてくれた。
「気に入ったんなら、他にこんなのもあるよ。あんたたち、メヒコにすんでるんなら、オーダーメイドもできるよ。」
と言うわけである。そのアルバムは、私がこのイスを買ったセントロのお店で見せてもらったのと全く一緒で、驚いておばちゃんに
「私このイスこないだ買ったけど、セントロで!!その店で一緒のアルバム見せてもらった!!」
と言うと、おばちゃんは
「それはよかった!!」
と言ってくれた。そして、何を隠そうこのイスの作り手はおばちゃんの甥っ子に当たる人なんだそう。信じられないほどたくさん店のあるセントロと、トナラの中で、私はこの2つの店が気に入っていたのだけれど、まさか親戚同士だったとは。
世間は、やっぱり広いようで狭い。
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