March 31, 2010

究極のDIY

メヒコは、DIYの国だ。セントロに行けば材料が何でも手に入る。手芸に関しても細分化されていて、布に強い店、糸に強い店、レースに強い店、毛糸に強い店、とそれぞれ使い分けが重要である。材料が手に入るとあらば、素材を見ているうちに、何でも自分で作ってみたく、挙句の果てには、さも自分にもできるような気になってしまうから恐ろしい。

さて、前々から自分の家の壁にに大きな穴が開いているのが気になっていた。粘土のようなテクスチャーで、乾燥したら固まるというような素材があれば買って補修を試みたいと考えていた。友だちが(これまた、彼女もDIY好きなのである。)キッチンに置く棚を作るとか何とかで釘が必要だと言うから、近所の工具屋さんに行ってみた。私が求めるような粘土質の素材はやはり置いていない。その代わりにセメントが目に付いた。セメントを固めに練れば粘土みたいに扱えるのでは?!と言う素人の発想で、本当に可能かどうか店のおじさんにセメントの使い方について尋ねてみた。セメントは前々から気にはなっていたのだが、小売をしているところ見かけたことがなかったので手を出しかねていたのだ。

おじさんはさも簡単そうに「な~に、水を入れてよく混ぜるのさ。そして、このこてで平らにすればオッケイよ!」的なことを言っていた。壁に穴があってそれを埋めたいけど難しいかどうか具体的に聞いても、私の話が伝わったのか伝わってないのか、「俺の説明を聞いて難しいと思ったか??簡単だろう~??」と言うばかり。私たちにしてみれば、セメントなどを扱うのはプロの左官屋さんでもなければ無理な話と思っていたのに、店のおじさんはホットケーキを作る勢いの手軽さで話してくる。レジのおばさんも「よく混ぜれば大丈夫よ」と付け足してきた。



……というわけで、とりあえずセメント1kg購入。独身女子が買う代物ではないよなぁ……、と思いつつも素材がそろえば一刻も早くやってみたいと言うのがこれ人情。


とりあえず、埋めたいのはこの穴と、もう一つの穴。もう一つの方がかなり大きかったのだけれど、写真を撮るのを忘れた。おじさんの唯一の教え「とにかくよく混ぜろ」を頭に置きながら、適当にこなと水をあわせてセメントを作った。始めこそ、垂直な壁にどう塗りつけていいものか苦戦したが、慣れてくると、そう難しい作業ではなかった。そして、ヘラでなでてやると思った以上に仕上がりがきれいで驚いた。


こんな感じで一つ目の穴の補修が完了。


二つ目も完了。少し色の違うところが補修部分。さらに調子に乗って、壁のコーナーが物がぶつかった拍子に割れてしまっていたので、それも直角になるようにセメントを塗って直してみた。(コーナー部分の少し色が違うところがそう。)

あとは、おじさんが昨日言っていたもう一つのありがたいアドバイス「まぁ、セメントを塗ってだな、昼休み2~3時間飯を食べてうちに乾くから」にしたがって、乾くのをぼちぼちまった。


そして今日は、晩ご飯もちゃんと作った。大根とイカの煮物を作ってみたけど、初めて挑戦したわりにちゃんとおいしい味になった。昨日まで猛烈な下痢に襲われていて苦しんでいたので、こういうやさしい味の和食が本当に体に染み渡ってほっこりした。

ここメヒコでは、DIYなんていう言葉は意味をなさない気がした。「壊れたから材料を買って直す」。この国では、当たり前のことなのだ。それは、生きるために毎日ご飯を作って食べるのと同じレベルのことなのかもしれない。自分で一生懸命作った料理がへたくそなりにもおいしいと感じるように、自分で作ったり補修したりしながら生活するのは、純粋に楽しい。

2 comments:

  1. あみちゃんやるなぁ。
    ところでDIYって何の略?
    Do it yourselt とか?

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  2. >>Masami
    これやで~、こないだskypeで話してたのん。
    何とか成功してよかったわ~!!

    DIYはご名答!!
    Do It Yourselfの略やで。

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