October 04, 2010

誘惑

今日は起きたら昼を過ぎていた。昨晩日本の友だちと遅くまでスカイプをしていたせいだ。相変わらず元気そうで、どうでもいいことやどうでもいいことをだらだらとしゃべることができて楽しかった。ひとつ、うらやましすぎたのは画面の向こう側で彼女たちが「たこ焼きパーティ」をしていることだった。しかも、具沢山で、めちゃくちゃにうまそうなんである。

おそらくそれを引きずったまま寝たせいで、起きてから「たこ焼き」のことで頭はいっぱいである。先日日本からたこ焼き機を送ってもらったので、しようと思えばできるのだが、「一人たこ焼き」て……。なんか切ないなぁ、と苦笑いであった。しかし、粉もんの誘惑には勝てるはずもなく、1人たこ焼きを決行することにした。たこ焼き粉も送ってもらったからあるのだが、それは誰かとたこ焼きパーティをするときのためにとっておくことにして、今日は小麦粉でもおいしいたこ焼きがちゃんと作れるのかを実験することにした。しかもたこなしで。もはや、たこ焼きなのかなんなのか、よく分からないが。

やはり、作っているとテンションが上がってくるもので、ひっくり返しながら1人のくせににやにやわくわくしてしまった。そこへ、スカイプにカナダにいるあかねちゃんという友だちがオンラインになっているのを見つけたので話しかけた。というか、あたしの1人たこ焼きパーティに付き合ってくれ、というなんともうっとうしいビデオ通話である。あかねちゃんにもたこ焼き機を購入することを散々すすめておいた。いやしかし、たこ焼き機はやはり一家に一台である。これがないと始まらない、と思う。

買い物に出かけると、ケーキの量り売りがしてあった。かなりでかいケーキがずーんと置いてあって、その横には包丁が無造作においてある。「好きなだけ切って持ってくるがよい」と言うことなのだろう。いちごがたっぷりと乗っていて、下はどうやらパイ生地になっている。

「絶対においしいやんか……」

気になりだしたが最後、しまいにはいちごケーキが「こうてくれぇえ~!!」といっているようにしか見えなくなり、買ってみることにした。いい大人が心ときめく量り売りいちごケーキである。私がにやにやとしながらケーキをきっているのを子どもがじっと見ていた。私が包丁を置いてその場を立ち去った後、その子もお母さんに頼んで買ってもらうことになったらしい。どの大きさに切るか真剣に考えているようだった。

食べ物の誘惑に打ち勝つことはなかなか難しい。気がつけば、もう10月。食欲の秋が始まっているではないか。

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