September 15, 2009

años

año(アニョ)とは、スペイン語で「年」。メヒコでは、しばしばこの"año"が表記された製品を見かけることがある。

同じ製品でもいろんな会社が作っていて、それが店頭に並ぶのはどこの国も同じ。どれを買っていいのかわからないからとりあえず安いのを買ってみるか、と言うのがこれ人情。しかし、笑ってしまうほどそれがまずい時がある。マーガリンがそうだった。スーパーで買ってきて、プラスティックのふたを開けると、そこには工場のチューブから出されたと思う黄色いマーガリンがででんと居座っている。ふたと製品の間の、あの銀色の密閉素材みたいなものはない。まぁ、いいかと気を取り直してそれを食べてみるも、くさい……。

食べ物が臭いというのは、結構凹む。メヒコは、食パンがあまりおいしくない。日本の食パンのように大きくもなければ、ふっくらともしていない。見てくれはアメリカの食パンと似ている。日本のあの奇跡的な食パンを食べなれた日本人には食パンがまずいのはちょっとした事件である。賞味期限がやたらと長いと思ったら、防腐剤がたくさん使われてあるからとのこと。一人暮らしなので、一斤の長い食パンの賞味期限が長いのはありがたい。しかし、防腐剤がいっぱい使われているから、食パンもなんだか臭い。そして、日本の食パンのようなふっくら感はもちろん、ない。生で食パンを食べるなんて、とてもそんな気にはならない。

そんな食パンと、あんな臭いマーガリンの組み合わせは、本当に凹む。だからと言って、まずいから捨てるというもったいないこともできず、臭いマーガリンの日々を過ごしていた。 どの製品も臭いのか?!メヒコ品質なのか?!と思っていると、レストランに出てくるマーガリンやバターには臭くないものもあることがわかってきた。すぐに消費してしまうものでもないので、少々高くても、今度はうまいやつを買おうと心に決めていた。

友だちと、マーガリン・バター売り場で片っ端からくんくんとにおいをかいで、どれを買うか会議を開いた。フィールドワークである。そこに"100 años"と書かれた黄金のバターを見つけた。つまり、「100年愛されているバター」と言うことである。

漂白剤を買う時も、スーパーで片っ端からキャップをあけてくんくんとしてみた。花の香りのする漂白剤があったり、一体どれを買っていいのかわからない。タイルを洗う洗剤は、恐ろしくにおいがきつく、ただの洗剤のはずなのに、ゴキブリにふりかけるとイチコロという殺傷能力を持ち合わせているんである。だから、適当に買うとにおいにこっちがやられてしまう恐れがある。そんな中、"60 años"と書かれた他の製品とは違う堂々としたたたずまいの製品を見つけた。しかも、60アニョスはふたがパッキングされてあり臭いをかぐことができないようになっていた。しかし、なんと言っても「愛されて60年」である。それを買って帰ると、日本の漂白剤と同じにおいがした。店でにおいまくった他の漂白剤にはなかった臭いである。

おお、アニョス!!!!!!

というわけで、「●●年」という製品に絶大な信頼を寄せている。「愛されて100年」バターも、めちゃくちゃうまい。あんな製品が作れるくせに、他の製品の品質の低さときたら……。なぜなんだ。やはり、伝統ある製品には理由があるのだ。それを、身をもって、いや、舌と鼻を持って実感した。これからも迷ったら、メヒコ人に長年愛されてきたという、信頼と実績の「愛されて●●年」をアピールしている商品を買おうと思う。

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