August 03, 2010

Creel 5 : アクティビティ(ハイキング)

クリールでのアクティビティ、二つ目はハイキング。

チェぺの一駅向こうの駅は、Divisadero(ディビサデロ)と言う駅でめちゃくちゃでかいBarrancas del cobre(銅峡谷)がある。駅から歩いて2分くらいのところに展望台があるので、チェぺも、上下線ともにこのディビサデロ駅では15~20分ほど停車するほどの場所である。そのディビサデロの峡谷を見るのにも、ツアーかチェぺでしかいけないのかと思いきや、バスが出ているという。……この情報もフランス人Olivier氏にもらったものである。しかも、ディビサデロ周辺には、公園があり遊歩道が整備されているので銅峡谷を眺めながらハイキングが楽しめるのだという。

クリールからは、バスで約1時間でディビサデロに到着する。旅の人やタラウマラの人を含む地元の人も利用するバスで、一日の本数が決められているらしくわりに込み合っていた。その間、ほとんど寝ていたのだが、たまにバスが止まるので目を覚ますと、「なぜこんなところで?!」と言うところで人が降りたり、乗ってきたりしたのが不思議だった。まぁ、家があるんだろうけれど、本当にええ!!ここで?!と二度見してしまう程殺風景なところで乗降していくのである。


ディビサデロについて、眠気で頭がふらふらしていると、目の前に銅峡谷が広がった。曇り空だったのが、その深さに迫力を加えていた。なんというか、こういう大自然の前に立つと人間は無力で、しかも私はあほなので「すげえ……。」というくだらない感想しかでてこない。でも、本当に「すごい」のだ。駅のほうに足を運ぶと、数時間後に到着するチェペに備えて、屋台の人たちは準備に忙しそうだった。主なメニューは、Gordita(ゴルディータ)。分厚めのトルティージャの間にチーズやら肉やらの具を挟んで焼いたものだ。値段は、割と高めに設定してあるな、と言う印象。それでも、列車の長旅でようやくあたたかい食べ物が食べられるし、停車時間が限られているし、となれば飛ぶように売れていくんだろう。

公園も駅のすぐ近くにあった。入場料を払って歩いていくと、遊歩道が本当にきれいに整備されてある。私の予想では、だんだんと山深いところへ入っていくのかと思っていたが、ひたすら遊歩道を崖沿いに歩いていくという感じだった。だから、ハイキングと言うよりは、散歩と言ったほうがいいかもしれない。しかし、散歩といってもあなどるべからず。目の前に広がる銅峡谷はただただ広くて深くて、見る角度によってその表情も変えてくれて見所は満載であった。チェペの停車時間だけではこんなにゆっくりと堪能することはできないので、やはりわざわざ足を運んでよかったと思った。

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そして、もう一つハイキングをしてきた。こちらは、ディビサデロと違って、ハイキングと言うよりも山登りといった方が近いかもしれない。クリールに滞在している間、どこで仕入れたのか誰から聞いたのか、なぜそんなにもいきたい気持ちになっていたのかさっぱりわからないのだが、私は猛烈に「滝」に行きたかった。その滝は、Basaseachi滝という。この滝は、北米で3番目に落差のある滝なんだそうだ。本当は、違うところにツアーを頼もうと思っていたのだけれど、そっちがだめになってしまったので、泊まっているホテルのツアーに参加することにした。内容の説明を受けていると、他にも気になっていた人がいたらしく、わらわらとツアー参加者が増えた。

メンバーは、スイス人の女の子、フランス人の女の子、国籍が分からないが流暢にスペイン語をしゃべるヨーロッパ人ぽいの男の子(のちに、ドイツ人と判明)、メヒコのおっちゃん、アメリカ人と思われるカップル(のちにイタリア人と英国人のカップルと言うことが判明)、アメリカ人の中年夫婦、メヒコ人のカップル、そして我々日本人3人組である。約2時間バンに揺られて滝に到着した。


まずは、ビューポイントのようなところに行って、遠くに見える滝を指差された。ここから滝のしたまでがハイクコースになっているらしい。そして、滝のはるか上のほうに東屋の屋根があり、最後はそこでまた集合、ということだった。目の前に絶景が広がり、またもや「Woohoo!!」とテンションは上がるのだが、山道はそうやさしくはなかった。

行きしなは、ひたすら続くくだり道。雨が降るらしく足元は悪く滑りやすいから、山道に慣れていないので無駄に精神を集中させなければならない。それに加えて、途中から野生の動物のものと思われる糞がそこら中に散らばっていたので、できれば踏みたくないのでそれを避けるためにもまた神経をすり減らさなければならないのだった。息を切らせたライフルを持った軍の人によくすれ違うから、「敵ではありませんよー。善良な市民ですよー」と言うのを無駄にアピールするために「Hola!!」とあいさつをしてすれ違った。このアップダウンを駆け回って鍛えているんだろうと思っていたら、実は山で遭難者があったそうだ。無事に見つかって保護されたそうなのだが、ハイキング気分で浮かれてあるいて二の舞になってはだめだと思い気合を入れなおした。

ようやく到着して、その頃には足が既にがくがくで、滝を眺めるのもそこそこにすぐに岩に腰を下ろしてドリトスで体力の回復を図った。降りてくるだけでこんなに疲れたのに、あろう事か残っているのは登り道か……と思うとげんなりしたが、他のツアー参加者を見てみると、ドイツ人・フランス人・メヒコ人の体力ありまくりぐみは、滝つぼで優雅に泳いでいた。メヒコのおっちゃんのカメラは防水らしく、3人で楽しそうに水の中で写真を取り捲っていた。アメリカの中年夫婦は、おばちゃんがでかいつばのついた帽子にマイケルジャクソンみたいなシャツを着てきていたから、「全然山向きの格好ちゃうやん!!大丈夫かいな」と心配していたけどそれには及ばず。やはりアメリカ人の基礎体力はすごい。トートバッグを片腕にかけながら余裕で到着である。イタリア男の子とイギリス女の子のカップルはバナナを食べているし、へばっているのは私たちだけかと感じるくらいに、みんな体力に満ち溢れていた。
滝の下はごつごつしたでかい岩がその辺に転がっていた。崖が聳え立っていて、その遥上から水が落ちてきて滝つぼに注いでいる。その崖や岩があまりにも垂直に、まるでそこに生えているかのようにあるもんだから、視覚的にそれらが迫ってきそうな感じがして若干酔いそうだった。ゴールまでの残り半分の登り道を、それこそ千鳥足のようにふらふらになりながら、しかし時間以内に到着するために必死で上った。途中、雨に降られながらもなんとか到着。


到着してしまえば疲れなんていうものは吹っ飛んでしまい、目の前の絶景がまたはしゃがせる。みんな思い思いに腰を下ろしたり、写真を撮ったり、風景に酔いしれたりして過ごしていた。しんどかったけれど、やっぱり運動をして汗をかくのは気持ちがいい。最後にみんなで記念撮影をして、ホテルに向かって出発。結構みんな寝ているではないか。なんや、みんな疲れてるんやん!!途中、虹が出ていて、車を止めてもらって、みんなでわーきゃーいいながら写真を撮ったりして、ツアーはツアーでも、こういう体力使います系ツアーは終わった後に妙にみんなとの距離が縮まるので結構ええやん、と思う。

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