August 01, 2010

Creel 1 : Hotel


新しいところについたらまずしなければいけないのが宿探し。クリールでは、"Hotel Margarita"というところを当たってみようと思っていた。チワワで友だちが去年チワワでホームステイをしていて、そのホストファミリーにあったのだが、ホストお母さんが"Hotel Margarita"なるところを大絶賛していたのである。

・きれい
・家族経営でホスピタリティーに溢れている
・夕食が込みで、しかもうまい

というのが、主なおすすめポイントである。列車がクリールについて、「さあ、探すぞ!!」と思って勢いよくホームに下りると、数人のメヒコ人に囲まれた。「な、何事や?!」と思っていると、彼らはクリールにあるホテルの客引きの面々なのであった。1日に上下合わせても2~4本しか列車は到着しないので、客を確保するためにこうして列車の時刻になると駅で客引きを行っているらしいのだ。おどろいたことに、一番最初に話しかけてきて名刺を見せてきたところが探そうと意気込んでいた"Hotel Margarita"だった。

「で、でたーーー!!!!」

とまるでお化けにでも出くわしたかのように驚いて友だちと顔を見合わせた。そして、のこのことMargaritaの兄ちゃんについていったのだ。でかい車を用意していたくせに、なぜあるかされるのだろうと思ったら、駅から徒歩2分くらいのところにそのホテルはあった。部屋を見せてもらい、連泊するのを条件に、3人で3つのベッドがある部屋で1日300ペソ(一人当たり100ペソ)に値引いてもらった。これで夕食も朝食も込みなのだからありがたい値段である。

チェックインを済ませるなり、ホテルのスタッフの眼光の鋭い兄ちゃんがしきりにツアーに参加しないかと誘ってきた。出発日を質問すると、

「おまえたちが準備できたらすぐにでも!!そうだな、15分後だ!!」

という返事が返ってきた。「きょ、今日の話しかいな!!」と展開の速さに少々驚いて半笑いになっていると、

「今日は他にも行く人がいるから、値引きするぜ。明日はこのツアーが催行されるかは分からない。保障はない。」

とさらにツアー参加をまくし立てられた。……ホスピタリティに溢れていると聞いていたんやけど……。と思うまもなく、その勢いに押されて、

「い、行きますとも!!!」

と返事。250ペソ也。数時間のツアーが2.5泊分の金額である。得をしているのか損をしているのか分からないままツアーに出発。クリール周辺の見所といわれている、クサラレ滝・アラレコ湖・タラウマラ族の居住区を回るものだった。

まず、クサラレ滝にむかったのだが、なかなかのハードコアながたがた道だった。途中、川も車でこえていく場面があったのだが、その一つで車が川にはまって抜けられなくなっていた。はじめは車内から様子を見ていたが、同じツアーのスウェーデン人のカップルが「助けましょう」といって、外に出て行った。それに続いてみんなわらわらと外へ出た。後輪がじゃりじゃりした川底にとられてはまって抜けなくなっているらしく、後ろを持ち上げてそのすきにアクセルを踏んで脱出する、や、さらに大きな車でロープで引き上げる、などいろいろ試したがどれもうまくいかず。持ち上げる際にはスウェーデンの男の人がものすごい力を発揮していた。ヨーロッパの人たち(主に北の方)は、体格がいい。骨格が元々でかいのだろう。手も足も長くて、背も高い。そんな彼がこん身の力を込めても持ち上がらない状況である。弱小アジア女は出る幕無しである。にぎやかし程度に持ち上げるのを手伝ったけど、効果上がらず。


せいぜい、写真を撮ってはやし立てるのが精一杯である。結局、気の毒だけど我々のツアーは先を急ぐことになった。何もできないけど心配だけはしてその場を去ることがなんだか後ろめたく感じる日本人、力が及ばないと分かるとあきらめが早くまた切り替えも早いスウェーデン人およびメヒコ人を乗せて車はさらに山の奥へ。

この一件のせいで、滝周辺での自由時間が短縮されてしまったと見え、滝をみにいって戻ってくる集合時間が異常に早い。滝のふもとまで下ってみることはできなかったけれど、上から望む滝もなかなか雄大なものだった。帰りがけには、はまっていた車も他の人やその地域に居住するタラウマラの人たちの力を借りて今や抜け出せるか、と言うところだった。しばらくまた手伝うことになり、数分後には無事に脱出することができた。

その後もツアーはいろいろなところを回り、連日早起きと長旅が続いていた身には少しこたえたが無事にホテルに帰ってきた。雨がしとしと降っていたけれど、おなかが異常に減っていたので街歩きがてらレストランを探すことにした。街を歩いていると、前からまっ黄色なカッパをかぶった人が歩いてきた。その人は私の顔を確認するなり、話しかけてくるではないか。……列車で会ったOlivier氏であった。氏も一緒にレストランで食事をし、さっそく仕入れたというクリール周辺の面白アクティビティ(乗馬)のツアーの情報などをくれた。そして、彼はフランス出身でしかも、パリジャンだということが分かった。

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